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2009年12月16日 (水)

【25】先生との出会い

1期生 木鋪 万裕さん

本庄高等学院の1期生として約25年の月日が流れた。
今は仕事の都合で4月より松山へ単身赴任しており、東京と松山の往復の生活となっている。
松山といえば、現在NHKで「坂の上の雲」を放映中なので、ある程度のイメージがわくと思う。
道後温泉がある四国、愛媛県の県庁所在地である。
この度、たまたま本庄高等学院の同窓会サイトでリレーエッセイなるものが存在していることを発見した。
卒業生の一人として、昔を思い出しながら、当時の私の学院生活について少々ご紹介したいと思う。

私事だが、本庄高等学院の入学手続き後の10日後、不幸にも私は父を出勤途中の交通事故で失った。
本庄高等学院の合格を一番喜んでいたのは、他でもない父であり、その父に入学式に参加してもらうことができなかったのは本当に残念であった。私はその時、父の為にも、いい加減な高校生活を送ってはいけないと自分自身肝に銘じたのであった。初めて親元を離れて、上級生のいないまだまだ未完成の学院に、胸を躍らせ入学する直前の出来事であった為、高校1年の私は驚きと悲しみのままホームスティ生活に突入した。

まだ、今のようにグランド側に駐輪場がなかった為、毎朝自転車で坂を上り通学する生活が始まったが、あの坂が最初は結構きつかったが、段々と足腰が鍛えられ、苦にならなくなっていったように記憶している。
一昨年に同窓会で学院に行った際、周囲の景色の変わりように本当に驚いたと共に、新幹線の開通、学バスの運行、共学化など、25年前は想像もつかなかった本庄の変化にうらやましさと時間の経過を感じざるをえなかった。

当時は男子校で、早稲田本庄駅なる駅もなく、食堂も未完成で毎日業者が弁当を売りに来ていた。
今と変わらないのは、殺風景なコンクリート打ちっぱなしの校舎、自由な校風と我々生徒を支えてくれた良き先生方、世界各国での生活経験のある多数の友人ではないかと思う。

特に先生については、私は他の人よりも思いが強いのではないかと思う。
大学受験を気にせずに自分のやりたいことを一生懸命出来る環境の中で、私は一人の教師に出会った。
そのことが、その後の私の人生を一層充実したものにしてくれたと今でも感じている。

その先生こそ、音楽教諭の中村忍氏であった。

中村先生は、ある日の音楽の授業の後に、「グリークラブを作らないか?」と私に声を掛けてきた。別に自慢をするわけではないが、他の人より少しは声が良かったようである。
まだクラブを決めかねていた私は、当初興味半分であったが、先生の誘いに乗って参加してみることにした。
中村先生ご自身は芸大声楽科の出身でトップテノール。
歌を歌うことについては、全くの素人であった私は、初めて先生の歌を間近で聞いて本当に驚いた。
人間は訓練することでこんなすごい声が出せるのか、自分に少しでも可能性があるのであれば、出来るところまでやってみようか、という気を起こさせるきっかけとなったのである。

その後、中村先生のボイストレーニング指導の下、3年間学院のグリークラブで活動し、大学では、名門早稲田大学グリークラブに入り4年間の華々しい活動に身を置くこととなったのである。

大学の男声合唱の世界では、東は早稲田グリーと慶応ワグネル、西は同志社グリー、関西学院グリーがトップクラスの実力を誇っており、数々の有名な声楽家や指揮者を排出している。
その早稲田グリーで活動したことで、多くの先生方、先輩、友人と出会い、有名オーケストラとの共演、数々の演奏旅行やテレビ出演等充実した学生生活を送ることができたのであった。
このことは今でも私の人生の糧となっている。

一方、勉学の面では既にご退職されているが、数学の冨永安男先生に一番お世話になった。
最終的に文系に進んだ私であるが、高校に入学した当初から数学に興味を持ち、毎日のように冨永先生の教員室に出入りさせていただいた。先生のお住まいであったマンションにも何度かお邪魔させていただいたことを今でも覚えている。自分の興味をもった事について、時間をかけて納得いくまで打ち込むことが出来た学院生活は本当に充実していた。

話せばまだまだきりがないが、私にとっての本庄高等学院生活を25年間経ってから思い起こしてみて、

最後に、本庄高等学院の後輩に一言。

人それぞれきっかけや内容は異なるが、自分が思いきり打ち込めることをみつけて、一生懸命チャレンジ出来るのが高等学院時代、大学時代である。是非とも悔いのないようにいろいろなことにチャレンジしてほしい。

今神様が私に何か一つ望みをかなえてくれるなら、「充実した高等学院生活をもう一度送りたい!!」
本当にそう感じている。

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