2011年3月 9日 (水)
【48】僕らはイキイキしているらしい
20期生 白井 純平さん
一日にたくさんのメールが行き交う。メールを受け取ると誰から来たのかを即座に確認する。表情が一瞬変化するときもあれば、微動だにしないときもある。表情は少しずつだが豊かになる。僕も成長するにつれ表情は豊かになったのだと思うが、面と向かわずにコミュニケーションを交わす時代に育ったため、人類レベルで考えると表情が乏しいサイドにいるのかもしれない。
昨年の入社式後の懇親会のことである。ちょっとした出会いがあった。
その人は研究室の大先輩で海外を渡り歩いた経験をもつ。今は建築家だが、その前はスペインのプロ野球選手という異色のキャリアをもつ。僕は在学中にその噂を聞いて以来のファンだった。まさかその人が自分の志望した会社にいたとは思いもしなかった。先日、そんな大先輩から「僕らの研究室のOBで面白い人を紹介するから飲みにいこう」という誘いを受けた。出会いとは突然なのだろう。このときメールを受け取った僕はきっと明るい表情だったと思う。
大先輩が紹介する先輩は遅刻するという連絡があり、その間は大先輩の体験談で盛り上がった。笑い声が居酒屋に響き渡ったところに到着された先輩は、真面目な性格だがどことなく変な人だった。そして先輩も僕に対して何か感じたらしくこう言った、「君はどこの高校出身?僕の高校にも君みたいな子がいてさ。その学校が山の上にあってね…」。
そんな風に話題に上がる高校は二つとない。
どこにでも出会いはあるが、このときは「出会い」と「再会」を同時に味わった感じがした。
無粋だったが、「どうして僕らを会わせたいと思ったのですか」と大先輩に尋ねてみた。そして満面の笑顔で大先輩はこういった。二人とも表情がイキイキしているから、と。
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