2011年5月18日 (水)
【50】【トリビア】本庄虫
9期生 越坂 淳さん
本庄虫【ほんじょう-むし】
[概要]
夏期に本庄近辺で大発生する昆虫。血は吸わない。体長2~3mmくらい。明るい物に群がる習性があり、白Yシャツのポケットなどに入り込んでいる ことがある。
学院生が最も恐れる虫。
[特徴]
・正式名はユスリカ(揺蚊:ハエ目ユスリカ科)。蚊(ハエ目カ科)に似ているが別物。ヒトとチンパンジーのような関係。
・幼虫が水底で体を揺らすことに由来する捻りのカケラもないネーミング。
・蚊の幼虫(ボウフラ)は水面を漂うが、こちらは水底でじっと過ごす。
[幼虫まで]
・水中や浮遊物に産卵され、幼虫はヘモグロビンを持つのでアカムシと呼ばれる。(金魚の餌になるらしい)
・幼虫は水中の有機物を食べ、高い水質浄化能力があるので実は益虫。
・水質の富栄養化とともに増殖するが、汚れ過ぎても生息しないなど水にはこだわる。水質指標生物として重宝。
・金魚の餌として与えたアカムシが何故か孵化し、室内が本庄化した友人がいる。
[成虫]
・世界で1万種、日本でも700~1千種もいる。日本ユスリカ学会なる団体は2千種と提唱するなど、いまだに新種続々。
・なかでもセスジユスリカ、ウスイロユスリカ、ハイイロユスリカ、オオユスリカ、アカムシユスリカがメジャーらしいが、もはや本庄虫の種の特定は 不可能?
・よく渦巻いている本庄虫の大群(蚊柱・かばしら)は、1匹の雌とそれを奪い合う無数の雄から構成される壮絶な繁殖行動。
・低気圧の接近、気温と湿度の上昇で本能的に蚊柱を作るとか。
・成虫は、口が無く消化器も退化。よって飲まず食わずで頑張る。当然吸血不能。
・その頑張りも2日~1週間とはかない命。また、鳥やクモも手強い天敵。
・明度/照度の高い物や紫外線を好む(走光性)。明るい服・店舗の照明・夜の自動販売機とか大好き。
・自転車通学時には、口・目・耳に入る悲劇も度々。
・うっかり潰すと黄色い体液が出るので、間違いなく「不快」害虫。
・琵琶湖と霞ヶ浦での大発生が有名で、国土交通省と環境省も困っている。
[対策]
・幼虫には薬剤。ただし塩素系は効かないのでプールは注意。
・成虫には殺虫剤・防虫ライト(紫外線カットのもの)。究極は蚊帳。
[その他]
・蚊柱は夏の季語。
>一つ二つから蚊柱となりにけり by小林一茶
>夕立の来て蚊柱を崩しけり by正岡子規
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