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2011年6月22日 (水)

【54】【トリビア】D棟が無い!?

9期生 越坂 淳さん

本庄高等学院の校舎は、A棟からJ棟全体で「早稲田大学92号館」とされ、コンクリート打ち放しの現代建築然としたハード面のみならず(1986年に第27回建築業協会賞を受賞)、教科別教室棟での授業など、全国的にも珍しい教育建築だと思います。
その校舎も竣工30年でいよいよ新校舎にその座を譲るということなので、この機会に長年の疑問を解き明かします。

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[D棟が無い!?]
気付く方はまずいないと思いますが、学院には実はD棟が無いんです。
・A棟・・・管理(事務室)棟
・B棟・・・数学/英語/国語科系教科棟
・C棟・・・理科系/社会科系教科棟
・D棟・・・???
・E棟・・・(以前の?)芸術科棟、今は情報科系教科棟?
・F棟・・・大教室棟
・G棟・・・(以前の?)2年生ハウス棟、生徒会ラウンジ
・H棟・・・(以前の?)図書館棟、3年生ハウス棟
・I棟・・・体育館棟
・J棟・・・食堂棟

[関係者の証言]
何しろ30年前の物件なので、当時の関係者は皆さんご退職などで第一線を退かれ、謎の究明は困難を極めましたが、どうにか消息筋(と書くとガセネタみたいですが)からの情報を入手することが出来ました。概要は以下の通りです。
・校舎の設計は早稲田大学理工学部建築学科穂積研究室のチーム
・設計初期段階ではD棟は存在し、なんと「温室」を中庭に造る予定だった
・施工者は戸田建設で、着工に向けた打合せを進めている最中に、「ところで温室は要らないんじゃない?」となる
・しかし、膨大な量の設計図や積算などはD棟を含めた名称で既に作成されており、作り直す(棟名称を繰上げて再付番する)とすんごい大変
・では、ということでD棟は構想上の存在ということにしておいて実際は建設せず、A棟~J棟を着工・竣工・開校
・一応、学院も大学建学100周年記念事業の一環で開設されたが、格の違いか「100号館」のキリ番は所沢キャンパスに割り当てられた

[結論]
上記のように、途中で「やっぱり無しね」となった温室計画が謎のD棟でした。

[余談]
・総工費は公式には19億円と21億円の2説ある。平米単価は19万円。
・窓枠の黒ペンキには特にこだわった。温かみのある黒を出すためにブレンドと塗り重ねを何度も試行錯誤したとか。
・大学の大隈講堂は竣工後80年経った2007年に国の重要文化財に指定。学院校舎もあと50年経てば・・・?

[ところで]
新校舎が建設されているようですが、完成イメージはこんな感じみたいです。
棟は分かれていないようなので、D棟のようなことにはならなそうです。

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