2011年7月 6日 (水)
【55】本物の「ゆとり」
27期生 川島 祥吾さん
はじめまして、27期生の川島祥吾です。
今回は初めてのリレーエッセイなのですが、私が早本の一番の特徴だと感じている附属のゆとりについて書かせていただきたいと思います。
「貴校は大学受験がないので、普通の高校生が受験勉強に費やす時間を興味のある分野の勉強等に有意義に使っていきたいです。」
このようなフレーズは早本の入学試験の面接で最も使われる言葉だと、在学中にある先生から聞いたのを覚えている。事実私もこれとほとんど同じようなことを言ったのを覚えている。しかし当時の私は、単に受験がなくて自由でいいな、位にしか思ってなかったのが本音である。まあ早本生のどれくらいがこのようなことを思っているかはさておき、早本ならではの「受験がなく自由」というのを外部の人は「ゆとり」としてあまり好印象を持っていないことを、最近私は大学生になって知った。
しかし私は、この校風こそが最大の魅力であり長所だと思う。そもそも外部の人がいう「ゆとり」というのは、以前の詰込み型の教育から改定を行った結果、学力低下につながったという悪印象からきているように思える。しかし学力低下という一面は「ゆとり」の主旨からして仕方のないことであり、むしろそれによって引き出される思考力のような良い一面が見えていないだけではないだろうか。
だとすれば本物の「ゆとり」はどこにあるのだろうか。それが我らが母校、本庄早稲田である。しかしそのことに気付いたのは在学中ではなく、卒業してからだった。そしてほとんど同じ考えを、同年代や先輩方も持っていることも知った。多くの人の中で一貫していたのは、在学中は「自由な環境」だったのが、卒業してから考えると「恵まれた環境」だったと口をそろえて言うことである。
まさにこれこそが本物のゆとりではないだろうか。つまり、在学中は自由な環境だと思い、その中で自由な事をして「学力」以外の力を養っている。それは個々人様々であり、力とは言わなくても必ず何か特徴のようなものを育てているように思える。もちろん当時の私たちはほとんどそのことには気づかない。しかし、卒業して何カ月、何年、何十年たつと、自分の持っている特徴が、早本で養われたものだと気づくのである。
そしてこれが、私たち同窓会幹事が母校を愛して同窓会を運営している理由の一つでもあるのだと思う。
自分で読み返してみると主旨がまとまってないなと思いましたが、今の自分の率直な意見です。とにかく、早本の素晴らしいところは本物の「ゆとり」であるということがみなさんに少しでも伝われば幸いです。もしまた書く機会がありましたら、その時はもう少し詳しく書いていきたいと思っています。
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