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2011年11月16日 (水)

【66】ホームスティ高仁

11期生 佐藤 順哉さん

今年も朝晩限らず肌寒くなってきて秋の深まりを毎日感じる季節になってきた。冬を目前としたこの時期になると今年こそはスキーにいきたいなぁと毎年思う。スキー → 湯沢→ 関越自動車道 → 本庄児玉インター → 早大本庄・・・という連想の流れでこの時期になると頭の中で高校時代を思い出すことが多い。

スキーといえば高校時代は仲間たちと夜行バスに乗り野沢温泉や草津に何回か行った。何事も親に連れていってもらっていた中学時代と違い、自分達で毎月の仕送りの中から節約しお金を積み立てて計画を立てて、自分達だけで旅行にいくことに興奮したものだ。草津国際スキー場には同じホームスティ(現呼称ホーム)の友人らと行った。

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ホームスティといえば、僕は以前もエッセーで触れたがホームスティ高仁にいた。シカゴ日本人中学校で一緒だったW先輩がいるということで、Wさんが夏休みに米国に戻ってきた時にホームスティ高仁の生活をいろいろ話してもらった。すごく快適な生活でギターも弾き放題、テストが終わると高仁セッションというのがあり、Yさんはじめ楽器をやっている人は各部屋でアンプを大音量にドア全開にしてセッションするのだという。なんともダイナミックで自由な生活なんだ!遠く離れた日本を想像し自分もそこに入りたいなぁと想像し、学院紹介のパンフレットに小さく掲載された白黒のホームスティ高仁の写真をなんども見て憧れていたっけ。

入学しホームスティ高仁に入居が決まった時はそれは嬉しかった。嬉しすぎて羽目を外す事度々あったが。ホストの高仁さんと奥さんはお二人ともとてもおおらかで優しく明るくお人柄がよく、そのためチーム高仁は本当にホストファミリーも先輩後輩も仲が良かった。一年生にとってはじめての定期テストである中間テストが終わった夕方、ドア全開で高仁セッションに初めて参加させてもらった時はアンプのボリューム10(フルテン)だった。

個人の部屋はおそらくすべてのホームスティの中で一番広かったと思う。学院から遠く、当時は現在すぐ近くにある巨大なイオン上里ショッピングセンターもなく、田舎であり、本庄駅近辺にある街中の都会なホームスティと比較して少し不便だったかもしれないが逆に何をするのもどこにいくのも選択肢が少なかったためか皆はほとんど行動を一緒にし家族の様だった。また、のんびりした田園風景は個人的にすごく好きだった。不便といっても、土日の食事は中華料理の燕京、カレーのモロッコ、カラオケのアップル、夜の友人との団欒のお菓子を買出しにいくセブンイレブン(通称セレブン)、神保原ジャスコとお店は自転車の範囲内ではいろいろあり慣れれば生活に不便はなかった。

今のホームでもまだあるのだろうか、パーティ日。月に一回、2食分(たしか)の予算がかけられる夕食の日が設定されていて、その日は豪勢なメニューだったり外食だったり。
「牛若丸」という焼肉バイキングのお店へお店のバスが迎えにきてくれ全員でいったりした。調子にのってゼリーを網で焼いて剣道部のKさんに品がないと叱られたっけ。

ホームスティの隣に清月堂という陽気な店主がいるパン屋がありオヤツにお惣菜パンをよく買いに行った。Yさんと女子校と合コンをやりすぎていつも金欠だった同級生のNはホームスティ高仁で飼っていた犬「ジョン」にあげるといい、パンの耳を無料で頂いて彼はそれを自分の昼飯に学院に持参し昼休みに貪り食べていたことを覚えている。彼のご両親が一生懸命に仕送りしてくれたお金は熊谷のカラオケとボーリング場に消えていた訳だ。

学校から帰宅して各自部屋で昼寝をしていたら高仁さんのチビちゃんだった娘さんがマイクをイタズラしたら電源が自然にONになったみたいで、「あー、あー、あー」と大音量で幼児の声が流れ、ビックリして飛び起きたっけ。そんな娘さんも今年の年賀状で拝見したらどうやら成人式を迎えられたらしい。あのマイク娘がすっかり美人さんになっていた。

本当にホームスティ高仁の仲間達とは、一緒にいる時間が長かった。昼も夜も行動を共にし帰宅しリラックスするときも一緒。早大本庄自体、都内の学校の様に寄り道するオプションが少ないため、クラス全員がファミリーだった。

そんな出会いを与えてくれたホームスティも今年度で制度が変更されて廃止されるという。今度は学院が直接経営する学生寮になるという。様々な情勢、社会環境などがその理由かもしれないが、ものすごく悲しいし、思い出が消えてしまう様で心から寂しいが、今後新しい形態において良い前進がなされると信じている。学生寮でもまた今後様々な出会いがあり学生寮にこれから入居する後輩諸君がオジサン、オバサンになってもずっと結ばれた強い絆がこれから生まれることであろう。

本当に高仁さんご夫妻には感謝の気持ちでたくさんです。本当に長い間お疲れ様でした。そして本当にありがとうございました。

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